2013年6月23日日曜日

ブラジルでデモ~新興国投資のリスク

ブラジルでは来年2014年にサッカーワールドカップが開催され、それに合わせてインフラ整備が急ピッチで進められています。しかし、多額の投資をすることに国民が反発も起きており、100万人規模のデモへと発展しているようです。


ブラジル株やレアルに投資する際は、常にこのようなリスクがあることを考慮しておく必要があります。産経&AP通信の報道によると
来年6月のサッカー・ワールドカップ(W杯)に多額の公金が投入されることなどに反発したブラジルの反政府デモは20日、首都ブラジリアなど少なくとも100都市で行われ、AP通信によれば参加者は計100万人を超え、過去20年で最大規模となった。
(中略)
現在、スタジアム関連施設に約150億ドル(約1兆4500億円)を投じて工事を急いでいる。しかし、国家の威信をかけて関連施設の建設を進める一方、社会基盤の整備がおろそかになった。デモは今月2日、サンパウロで公共交通機関の運賃が引き上げられたことを機にブラジル全土で起きた。デモ隊はスタジアム建設の巨額資金は「税金の無駄遣いだ」と反発し、W杯よりも、教育や医療などの福祉充実を優先すべきだと訴えている。
サッカー大国のブラジルでは、国内全土に巨大なサッカースタジアムが多数存在しますが、老朽化が激しいために立て替えや補強などの工事が行われています。ブラジル最大級で、前回の開催(1950年のワールドカップ・ブラジル大会)で決勝戦が行われたマラカナンスタジアムも、大幅な改修を行っています。

これらの投資に金を回すため、公共料金の引き上げが行われたり、他の公共工事に遅れが出たりしており、そのことがブラジル国民の反感を買っているようです。ブラジルはサッカー大国ですが、国民の大半は貧困層に分類されます。ワールドカップの成功よりも、自分達の生活の方を選ぶ国民も多いと言うことでしょう。

ブラジルに限らず、新興国ではデモやストライキが多発します。インドなどはストライキ大国ですし、中国でも低賃金でこき使われている労働者が反発する事が増えています。近年の日本企業や尖閣問題に対するデモなどは、これら労働者に対するガス抜きであり、中国政府もその対応に苦心していることが分かります。

労働者の賃金増加を認めてしまえば、株主の利益は毀損されます。新興国の株価が、先進国よりも乱高下しやすい理由は、こういった社会基盤の脆弱性を抱えていることです。新興国に投資する際は、このようなリスクが顕在することを、理解しておく必要があります。